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噴射ポンプ交換
とあるエンジンの定番の故障。燃料が漏れてきたら交換
噴射ポンプ
日産アトラスです。 このアトラスに搭載されているTDというエンジン。 当然ディーゼルですが、ちょっと困った故障をよく起こします。 それは整備士なら一度は経験があるかも?
噴射ポンプからの燃料漏れ
日産 アトラス
このエンジンはデチューンされたりして キャラバンやらエルグランドにも搭載されていることがあります。
ディーゼルの噴射ポンプから燃料が漏れているということは 当然修理しないと車検には通りません。
てなわけで、噴射ポンプ交換をレポートします。
その前に噴射ポンプとは何ぞや?
昔のディーゼルは、燃料ラインからきた軽油を噴射ポンプを介して 各シリンダーへ燃料を送っていました。
噴射タイミングなんかもあるほど、結構シビアなセッティングが必要なものです。 噴射ポンプはタイミングベルトやギヤなどによって動力をえて、 各シリンダーへ噴射タイミングを合わせながら燃料を送るポンプです。
この噴射ポンプが日産のTDというエンジンは良く壊れる。 燃料漏れをよくおこすというワケね。
こうなってくると噴射ポンプのOHが必要。OHかリビルトに載せ替えか? 車検と一緒に頼むと、30万コースの車検になっちゃったりします。 リビルトの噴射ポンプも10万円近い値段で、作業もかなり大掛かりなもので 工賃もかさむのです。
現在のクリーンディーゼルは、噴射ポンプではなくてコモンディーゼルというのが主流。 要するに噴射ポンプ云々じゃなくて、ディーゼルにインジェクターを持たせてあるのですよ。
とまぁ話はそれましたが、日産アトラスの噴射ポンプ交換スタートです。 基本はキャラバンやエルグランドも一緒だと思われます。
まずは、バッテリーの−端子を外しましょう。 セルモーターが近くにあったため、ポンプを外す際に工具が当たってショートさせないようにするためね。
次にエンジンオイルを抜きます。このTDという原動機はギヤを介して噴射ポンプを駆動しています。 そのギヤケースの中はオイルが充填されているので抜かないとやりにくい。
冷却水も抜いてしまいましょう。
ラジエターのドレンからとりあえず抜いてね。
そうしたら運転席のシートを外します。フロントの右タイヤの タイヤハウスに12mmのネジ2本でとまっています。
それを外したらシートを外して、シートの下のエンジンのメクラ蓋を外します。 12mmのネジをひたすら外そうね。アトラスの場合はシフトレバーもボディに固定されている12mmnネジを4本外して 横にずらしておいて置きます。
これが
ここまでエンジンが見れるようになります。
そうしたら、ラジエターのアッパーホースを外して、 ラジエターファンシュラウドを上下外します。10mmのネジ4本とクリップ2つ。
そして、ラジエターのステーのネジを外してちょっとラジエターが動かせるようにしておきましょう。 この状態で、ファンを10mmのネジ4本外して、ファンの扇風機のみ取り外します。 当然オルタネーターとパワステベルトは外してしまいます。
今回はエアコンは付いていない車両でした。
噴射ポンプはパワステポンプの下にあるので、 パワステポンプも外してしまいます。 この際、ポンプにつながるパッキンやパワステホースは新品に交換したほうが無難です。
インテークパイプも外します。
そうしてこんな感じになります。
そしたら噴射ポンプのフロントケースを外します。噴射ポンプのギヤが見えますので、 合いマークをあわせて、噴射ポンプのギヤを19mmのネジで緩めてプーラーをつかって ギヤを外します。
鏡越しですが、Zマークが噴射ポンプ側に2つ。エンジン側に1つあります。 それが組み合わさっているところでギヤを取り外します。 これがまず噴射タイミングその壱。
ギヤを外した状態。
これで噴射ポンプのボディとエンジンにも印をつけておきます。 噴射タイミングのズレを極力抑えるためね。
あとは噴射ポンプにつながる燃料パイプ4つ外します。 17mmのスパナで回します。 エンジン側の各気筒につながるパイプのネジ4つも外して、パイプ自体をフリーにします。
MHOはパイプはそのままの位置においておきました。 パイプを抑えているネジ12mmも外しておきます。
あとは噴射ポンプにつながるホースを抜いて、配線をカプラーで抜いて、燃料ホースの ジョイントを外して、
噴射ポンプのナット3つ12mmを外して、
下にもあるネジを1本外せばポンプが外れます。
そうしたらリビルトのポンプについていない部品を移植します。
これがポンプを外した状態。
それが出来たら今度は新品を組みつけます。 新品を組み付ける際に、噴射タイミングのズレを防ぐために 古いポンプの合いマークを移して、ボディ側とあわせてはめていきます。
そして噴射ポンプのギヤをマークで合わせて組み付ける。 この時、噴射ポンプのキーとスプロケットの溝が合いません。 なので、スプロケットのネジを仮止めしておいて、クランクシャフトを回して スプロケットのキー溝と噴射ポンプのキー溝があったところで本締めします。
フロントカバーは液体パッキンを塗布します。
ちなみにクランクシャフトのボルトは41mmという巨大。
その後も当然タイミングのずれがないか確認しましょう。
噴射ポンプのパッキン
パワステホース、パワステ高圧ホースのパッキン
コレくらいは最低頼まないと厳しいね。部品がないと漏れてくるかもしれない。オイル。
噴射ポンプを組み付けたら、燃料フィルターのプライミングポンプをガンガンとあおってやります。
噴射ポンプの燃料ホース取り付け場所にエア抜きのネジがついているので、それを 緩めて、そこまで軽油が上がってきたのを確認したら、
エンジンオイル、パワステオイル、冷却水
を入れてクランキング。
燃料はすっからかんなので、当然かなり長めのクランキングをしないとエンジンはかかりません。 しばらくすると止まったりしますが、何度も何度もエンジンをかけて、止まらないところまで 安定させると。
ポイントは、各パッキンを確実に交換。
最後に燃料漏れをよぉく確認すること。
噴射ポンプを交換すると、驚くほど排気ガスが綺麗になります。 黒煙がかなり減るんですよ。
とまぁ結構大変な作業です。
なんせ体が真っ黒になるよ。あと軽油がジャジャ漏れなので臭くなる。
エアコンが付いていると噴射ポンプにアイドルアップ機構が組み込まれているので もっと作業は大変になるそうです。
と、いうわけでアトラスの噴射ポンプ交換でした。
ディーゼルの黒煙を軽減させるにはエアクリーナーの交換が有効です。
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